Eivor 『 Bridges 』

Eivor 『 Bridges 』

Eivor Palsdottir

*フェロー諸島のレーベル Tutlのオリジナル盤 デジパック仕様

 アイヴォール・パルスドッティルといえば、無く子も黙るフェロー諸島の歌姫。アイスランドでいうビョークのような存在(音楽的にはビョークとは全く違いますが)。

 透き通る声で繊細で壊れそうな歌声を聞かせたかと思えば、荒々しほど力強い歌唱を披露することもあり、その歌唱力は国際的に高い評価を得ている。

 まずはトラッドなフォークシンガーとしてティーンの時にデビューし、その後はKristian BlakのYggdrasilで経験を積み、アイスランドで音楽を学んで国際舞台へ。ジャズ、フォークを中心に幅広い活躍をしている彼女が、最もポップ寄りになったのが前作の『Room』。サウンドも今っぽく、エスニック色を帯びたアイヴォール流のポップがとても素敵だった。

彼女はフェロー諸島から飛び出し、まずアイスランドへ移って音楽を学び、そして世界へ羽ばたいていった。私は2003年に彼女のライブを初めてアイスランドで見て以来、実はずっと彼女のライブとは接していなかった。2015年、フェロー諸島で行われたG!フェスティバルの大舞台に立った彼女は、10数年前に見た彼女の面影を残しながらも、圧倒的な歌唱力と声量でオーディエンスをぐいぐいと引っ張っていった。
 何が驚異的かといえば、歌唱の確かさや表現の豊かさもあるが、高音の響きの美しさとボリューム感が半端ない。それも常人では出せない・・・ポピュラーでよく知られるところでは、例えばマライア・キャリー(古い?)のあの高音を、もっと澄んだ音でしっかりとだしていく。あれは聴いた時、自分の頭のテッペンがブチ抜けるかと思ったほどだった。本当に鳥肌もので素晴らしかった。
 そして、人によっては気になることも多いエスニックな節回しやビブラートも持ってはいるけれど、それも随分と洗練されたものになり、サウンドクリエーションや見せるという意味での衣装の部分で、例えばビョークのようにアート的に凝ったなら、とたんに世界の頂点の頂点に躍り出るのではというポテンシャルさえある。ただ、彼女の人柄から、たぶんそこまではやりたくないし、やる気もないんだろうということも伺える。

 久々に会った彼女と私、「お茶にしよう」と何度か連絡を取り合ってはいたけれど、彼女がレコーディングで忙しく、また体調を崩してしまい休養が数日必要となっていまい、会わず仕舞いに終わったけれど、きっとまたフェローかアイスランドで会う機会があるだろうと思う。その時は、彼女本人には話したことのない、かつての思い出話などもしたいと思っている。

 ・・・新作の話から逸れましたが・・・

 今作は前作『Room』のポップ性を受け継ぎつつ、もう少しフォーク、エスニック寄りに戻った感じの、とてもいいアルバムにシガっています。少人数編成のバックの、彼女のルーツに根ざした演奏や歌唱がとても好感が持てるし、近年結婚した作曲家のご主人が、以前はポップをやっていたとかで、そんな影響も。
 Youtubeにはこのアルバムのプロモーション用に撮影した一連の演奏があり、これが本当に素晴らしいので、ぜひご覧ください。(小倉悠加)

Eivør - Far away (Live Acoustic Version)
https://youtu.be/rO0qMqEIbQg

◇収録曲目
REMEMBER ME
FAITHFUL FRIEND
BRIDGES
TIDES
ON MY WAY TO SOMEWHERE
MORNING SONG
PURPLE FLOWERS
THE SWING
STORIES


販売価格 2,800円(内税)
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